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2016年12月14日水曜日

第2回 救急合同勉強会

第2回 救急合同勉強会(地域医療従事者研修会)が、2016年12月14日開催されました。
 呼吸器科からは、濵元医長が参加してくださった所沢市近隣の救急隊26名に対して、「呼吸不全・酸素療法」についてのショートレクチャーを行わせて頂きました。

所沢市近隣では、呼吸器を扱っている病院は少ないようで、皆さん熱心に聞いてくださりました。救急隊の皆様も仕事終わりに寄ってくださった方も多く、参加して頂きまして大変ありがたく思います。

2016年12月7日水曜日

IASLC 17TH WORLD CONFERENCE ON LUNG CANCER

IASLC 

17TH WORLD CONFERENCE ON LUNG CANCER

2016年12月4日からViennaで開催された世界肺癌学会へ発表のため出席。気温はマイナス3度と寒かったですが、内容は大変充実して勉強することができました。今後の診療・患者様に最新の治療を提供できるべく、刺激のある学会でした。

ポスターでの発表は、悪性胸膜中皮腫患者病理組織のTS関連タンパクの免疫染色の結果を報告しています。
 

Orotate phosphoribosyltransferase is overexpressed in malignant pleural mesothelioma: Dramatically responds one case in high OPRT expression.

 2016 Apr 5;4(1):e1165909. doi: 10.1080/21675511.2016.1165909. eCollection 2016.

2016年11月18日金曜日

Screening and brief intervention for obesity in primary care: a parallel, two-arm, randomised trial

Screening and brief intervention for obesity in primary care: a parallel, two-arm, randomised trial
 2016 Oct 21. pii: S0140-6736(16)31893-1. doi: 10.1016/S0140-6736(16)31893-1. [Epub ahead of print]

   今回は、糖尿病所属の石井先生が、Lancetから最新の論文を紹介してくれました。

  肥満患者へ積極的な体重減量プログラムを行い第三者の専門家に紹介する群と、通常外来で主治医が指導する群において、Primay Endopointである12ヶ月の体重減少はどうなるのかとみた無作為化試験である。


Panel: Typical physician intervention
Physician: While you’re here, I just wanted to talk about your weight. You know the best way to lose weight is to go to [Slimming World or Rosemary Conley] and that’s available free on the NHS?
Patient: Oh?
Physician: Yes, and I can refer you now if you are willing to give that a try?
Patient: Yes, ok.
Physician: Ok, what you need to do is take this envelope back outside to the person who weighed you and they will book you into the weight loss course now.
Patient: Ok.
Physician: Good, but I’d like to see how you’re getting on, so come and see me again in 4 weeks, please. Ok?
Patient: Ok, see you then.

主治医は上記のトレーニングを受けて、無作為化のための封書を開けて、患者指導をどちらか選択する手法である。

エントリーは8403名の患者がいましたが、最終的に940名と942名が解析されました。
 最終的な結果として、積極的にプログラムを勧めた群の体重減少は有意差をもって認められた結果でした。
《総括》
   Lancetに掲載されるだけの意義のある論文であるかどうかの議論も出てきた。
  n数が多いからだけ? 企業の誘導?

 本論文では、肥満患者の体重減少・しかも1年後のみの評価である。臨床に還元するのであれば、生命予後や合併症の罹患等々について追跡することも本質的には必要ではないかとの意見もあった。
 禁煙外来も同様に、外来期間禁煙を行えてもその後、再度喫煙する患者もいる。
 目的は、
    禁煙することであるのか?
    合併症やがんの罹患を減らすことであるのか?
    社会的な啓蒙活動の一環として行うのか?
      などなど、本質を捉えてのスタディーを期待したい。
                         (糖尿病内科 石井医師)

2016年11月15日火曜日

第2回 チーム免疫療法(仮称)

第2回 チーム免疫療法(仮称)
  2016年11月15日
   非小細胞肺がんに、オプジーボが認可され11ヶ月が経過。腎臓癌への適応拡大も認可され、多くの患者様へ提供できることとなってきました。西埼玉中央病院でも安全に正しく使用するため、定期的に「がん研究所有明病院のチームIT会議への参加」と自施設でのチーム免疫療法としてミーティングを開催しています。
 今回は、呼吸器科の濱元医師から費用対効果についての説明が行われました。
 主に、QALYsとICERのコンセプトについて説明後、Nivolumabの薬価改定にまでで話をまとめてもらいました。 (次回開催は、2ヶ月後を予定しています。)

2016年11月7日月曜日

A Randomized Trial of Long-Term Oxygen for COPD with Moderate Desaturation.

A Randomized Trial of Long-Term Oxygen for COPD with Moderate Desaturation.

 2016 Oct 27;375(17):1617-1627.


 安静時または運動時に中等度酸素飽和低下が認められるCOPD患者に対し、長期酸素療法を行っても、初回入院または死亡までの期間延長にはつながらなかった。COPD増悪率やCOPD関連入院率についても、低減効果は示されなかった。

 研究グループは、米国内42ヵ所の医療機関に、中等度の安静時酸素飽和低下(パルスオキシメーター測定の酸素飽和度SpO2:89~93%)と、中等度の運動時酸素飽和低下(6分間歩行テスト中のSpO2≧80%が5分以上、90%未満が10秒以上)の安定期COPD患者、738例をリクルートした。

 被験者を無作為に2群に分けを行なった。
   長期酸素療法 有り群:368例
   長期酸素療法 なし群:370例
          (被験者に割り付けの盲検化は行われていない)

《主要評価項目》
   時間-イベント解析による生存期間または初回入院までの期間

《結果》
 追跡期間:1~6年(中央値は18.4ヵ月)
 両群の被験者特性は類似
  
  生存期間または初回入院までの期間には、両群で有意差は認められなかった
   (ハザード比:0.94、95%信頼区間[CI]:0.79~1.12、p=0.52)


  全入院率も両群で同等だった
   (率比:1.01、同:0.91~1.13)

  COPD増悪率
   (率比:1.08、同:0.98~1.19)
 
  COPD関連入院率
   (率比:0.99、同:0.83~1.17)
                     両群で有意差はなかった。

《まとめ》
  中等度のCOPD患者への長期在宅酸素の有用性を検討した前向き試験であった。Disccusionでは、Limitationとして5つもの項目を挙げて本試験のExcuseを行なっている。
  1)患者バイアスとして、既に酸素療法を信じている人がエントリーしていない
  2)患者からの情報不足として追跡しきれていない可能性
  3)酸素デバイスの統一化が行われていなかった
  4)酸素投与の直ぐの反応は見ていない
  5)患者自らの酸素使用に関しての報告では、Overestimateであった可能性
などと記述し、最後の結論として、中等度のCOPD患者への長期酸素投与は生存期間または初回入院までの期間への影響はなかったとまとめている。中等度のCOPD患者へ率先して酸素を導入すること(医療経済的)への一石となるかもしれないが、患者を目の前にして低酸素で耐えろとは言えないこともあり、臨床医の判断が重要となると思われる論文であった。
 
(呼吸器内科 濱元)

2016年11月1日火曜日

呼吸器科 新任医師:井部達也先生

井部達也先生就任
 2016年11月1日より、西埼玉中央病院 呼吸器科へ新任医師として 井部 達也 先生が就任致しました。九州での診療も選択肢として検討中、所沢の呼吸器診療に興味を持って頂き、力強い人員となっています。

 皆様、所沢の呼吸器診療に少しでもお力添えできればと思います。何卒よろしくお願い致します。

2016年10月28日金曜日

Prevalence of Pulmonary Embolism among Patients Hospitalized for Syncope


Prevalence of Pulmonary Embolism among Patients Hospitalized for Syncope
NEJM 2016;375:1524-31
 
  失神した入院患者においての肺血栓塞栓症については、ガイドライン含めあまり多くの記載がない。本研究では、入院した失神患者に、Simplified Wells Scored-dimerの2つの項目を用いてPEのリスクと思われる患者を抽出。抽出されたハイリスク群に対して、造営CTもしくは、血流シンチにてPE評価を行った。2584人の患者エントリー中、560人が最終的に評価対象とされた。97名が実際にPEとして発見診断された(463名はPE陰性)。  

失神で入院した患者で、リスクのある群において6人に1人が実際にPEとして診断されるに至る結果となった。

(内分泌糖尿;澤野)

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1602172




 

2016年10月19日水曜日

21th International Congress of Palliative Care


21th International Congress of Palliative Care 
カナダのモントリオールで開催されました。秋の紅葉の時期でとても美しい街並みが、更に際立って美しく見えました。
http://www.palliativecare.ca

 McGill University がメインとなり、世界の緩和治療について、多くの議論がされます。
McGill Universityの象徴的なArts Building(最も古い建造物で1843年に完成)

会場は、大聖堂近くのParis des Congresで開催されました。
規模としては、そう大きくはない印象の国際学会です。


 2日目に、ポスターでの発表があり、多くの方から質問されました。質問内容を記録し、今後論文化の際に役立てていければと思います。ご意見いただきましてありがとうございました。


《発表内容》
 先進国のどの国も緩和末期のがん患者様は自宅に帰りたい希望があるようですが、現実は叶えられてないようです。
              がん終末期に自宅希望    実際に在宅緩和
    オーストラリア       70%         14 %
    カナダ           75%         29 % 
    日本            60%          8.9%
  (Session 519: HOME CARE 19th Oct. 2016 21th Congress of palliative Careより)
  (日本のデータは、三重大の発表より抜粋)

今回、西埼玉中央病院から発表したのは、過去のNSCLC患者を、終末期どこで過ごしたかを、3群に分けて生存分析を行いまとめています。
 結果としては、病院よりも緩和(自宅・ホスピス)が望ましい結果でしたが、詳細は論文化後再度ご報告します。
  (呼吸器内科 :濵元 陽一郎)

2016年10月14日金曜日

Effect of Wearable Technology Combined With a Lifestyle Intervention on Long-term Weight Loss

Effect of Wearable Technology Combined With a Lifestyle
Intervention on Long-term Weight Loss
JAMA | OriginalInvestigation JAMA. 2016;316(11):1161-1171



2016年JAMAに、掲載されたウェアラブル端末を利用したダイエット方法が、標準ダイエット方法と比較して有効な手段であるかの比較検討試験です。
ウェラブル端末を用いた群でも、そうたいした効果がなかったという論文結果でした。Limitationには、言い訳も多く言及していました。しかし、1ページ目のAbstの段階で間違いが指摘される気がします。また、盲検になることができないため、端末を用いている群にとり、良い効果なのか悪い効果なのかも不明なデザインでした。
                         (糖尿病内科 石井 尚)

2016年10月7日金曜日

Multicenter Cohort Study on the Survival Time of Cancer Patients Dying at Home or in a Hospital



Multicenter Cohort Study on the Survival Time of Cancer Patients Dying at Home or in a Hospital: Does Place Matter? 

今回の抄読会は、緩和ケアーがテーマの論文でした。出典はCacner(IF:5.64)2015からです。
がん末期で死ぬ場所が、生存期間に影響があるか、他施設の前向きな試験です。

BackGround:
死に場所は、死に向かっている患者の死に際の質に多大なる影響を与えている。死亡する場所によって、生存期間が異なるかは未だ不明である。本研究では、自宅で死亡するか病院で死亡するか、癌患者さんの生存に違いがあるかと探索的に研究することが目的。

Methods:
本研究は、多施設、前向き、コホート研究である。2012年9月から2014年4月まで58の緩和の専門施設で行われた。

Results:
2426名の患者がリクルートされ、その内2069名が本研究の為解析された。

   1582名:hospital-based palliative care
   487名 :home-based palliative care

生存期間                   days           weeks           months
 hospital-based         13days          36days         
    home-based              9days           29days
    (p-value)                (p=0.006)      (p=0.007)    (not significant)

Conclusion:
 本研究では癌患者は、病院で死亡する患者と比べ、自宅で死亡する患者の方が、同等もしくは、それ以上に生存期間を長くする。



感想:
 癌患者への早期緩和ケアー導入が予後をQOLを上げるだけでなく、生命予後も延長させることが報告(NEJM2010 363;8, 733)されて以降、緩和ケアーの見方が変化しつつある。
 しかし、本論文でのLimitationでも記述がある通り、症状の重症度・症状の進行・家族のサポートの有無や、資金の程度などまだバイアスが多く存在することも事実かもしれない。少なくとも、日本国においての大規模な研究でここまで言及できたことは素晴らしい結果であったと思う。
(担当;呼吸器内科 濵元 陽一郎)


2016年9月27日火曜日

Innate Immunity and Asthma Risk in Amish and Hutterite Farm Children


Innate Immunity and Asthma Risk in Amish and Hutterite Farm Children 


New England Journal of Medicine August 4, 2016 vol. 375, 411- no. 5 

アーミッシュとフッター派という、伝統的なグループにおいて、喘息の罹患率が異なっている。遺伝的背景や生活様式が類似している集団であるが、唯一異なるのが、農業の手法である。



  アーミッシュ:伝統的な馬車などを使用  ⇨家畜などの糞多く環境不衛生
  フッター派 :大規模農業機械化を導入  ⇨動物が少なく比較的衛生的
  

1989年, Strachaの論文(BMJ 299; 1259-1260, 1989)初めて登場した、"hygien hypothesis"(衛生仮説)。この仮説のを裏付ける論文でもある。アーミッシュのグループでは、室内埃に多くのエンドトキシンが含まれていたとされる。そのDustをVivoマウス実験でも使用して気道過敏性を抑える事が出来、疫学的試験の裏付けとして報告をまとめている。


環境因子の暴露により、(アレルギー性)喘息の発症が抑えられたことは理解できたが、Vivoマウスの投与して即反応が抑えられたと言う結果には驚いた。
(担当;呼吸器内科 濵元 陽一郎)

2016年9月12日月曜日

がん研究所有明病院での見学勉強会参加

〜「チームIT(Immunotherapy)」について〜

  2016年9月12日に、有明にあるがん研究所有明病院にてがん治療の現状について見学兼 勉強会へ参加してきました。
    《参加者》
    医師        :濵元 陽一郎
   レジデント:石井 尚
         看護師:伊藤 幾代  副看護師長(5階 ):慢性呼吸器疾患看護認定看護師
      二神 智子  看護師 (7階):がん化学療法看護認定看護師
      小田野 瑞希 看護師 (外来):通院治療センター
  薬剤師:福田 哲也  
      田沼 健太郎
      小野 麻里子

   免疫療法の使用に際し、先端がん治療を行っている有明病院での患者教育方法などを、コメディカルと一緒に勉強してきました。学ぶことの多い半日でした。
   がん研究所有明病院 呼吸器内科(西尾先生、柳谷先生)、薬剤科の方々には大変お世話になりました。ありがとうございました。








2016年7月1日金曜日

西埼玉中央病院 呼吸器内科発足

はじめまして
 2016年7月から西埼玉中央病院へ呼吸器疾患を担当する、濵元 陽一郎と申します。
埼玉・所沢の皆さんへ、分かりやすく・丁寧な医療を志します。
何卒よろしくお願いいたします。