カウンター

2016年10月7日金曜日

Multicenter Cohort Study on the Survival Time of Cancer Patients Dying at Home or in a Hospital



Multicenter Cohort Study on the Survival Time of Cancer Patients Dying at Home or in a Hospital: Does Place Matter? 

今回の抄読会は、緩和ケアーがテーマの論文でした。出典はCacner(IF:5.64)2015からです。
がん末期で死ぬ場所が、生存期間に影響があるか、他施設の前向きな試験です。

BackGround:
死に場所は、死に向かっている患者の死に際の質に多大なる影響を与えている。死亡する場所によって、生存期間が異なるかは未だ不明である。本研究では、自宅で死亡するか病院で死亡するか、癌患者さんの生存に違いがあるかと探索的に研究することが目的。

Methods:
本研究は、多施設、前向き、コホート研究である。2012年9月から2014年4月まで58の緩和の専門施設で行われた。

Results:
2426名の患者がリクルートされ、その内2069名が本研究の為解析された。

   1582名:hospital-based palliative care
   487名 :home-based palliative care

生存期間                   days           weeks           months
 hospital-based         13days          36days         
    home-based              9days           29days
    (p-value)                (p=0.006)      (p=0.007)    (not significant)

Conclusion:
 本研究では癌患者は、病院で死亡する患者と比べ、自宅で死亡する患者の方が、同等もしくは、それ以上に生存期間を長くする。



感想:
 癌患者への早期緩和ケアー導入が予後をQOLを上げるだけでなく、生命予後も延長させることが報告(NEJM2010 363;8, 733)されて以降、緩和ケアーの見方が変化しつつある。
 しかし、本論文でのLimitationでも記述がある通り、症状の重症度・症状の進行・家族のサポートの有無や、資金の程度などまだバイアスが多く存在することも事実かもしれない。少なくとも、日本国においての大規模な研究でここまで言及できたことは素晴らしい結果であったと思う。
(担当;呼吸器内科 濵元 陽一郎)


0 件のコメント:

コメントを投稿