研修医1年目の中村先生が、敗血症性急性腎不全患者への早期(12時間以内)の腎代替療法導入と待機的に導入についてのNEJM論文を解説してもらいました。初の抄読会でのプレゼンは指導医井部先生の熱血指導で上手にできたでしょうか?
Discussion
待機的にみられた群へ無作為に割り振られた患者の中でも、腎障害進行認め、腎代替療法を行わなければならない患者が存在した。その患者数は、待機的腎代替療法群149名中、49名にも上る。最終的に透析を受けていない患者としての解析であり、デザインに無理があるとも考えられる。
言いたいこととして、シンプルに、12時間以内にあわてて腎代替療法行わなくてよいことがポイントであった。
Backgrounds
急性腎障害は、敗血症性ショックを有する患者において最も頻繁に起こる合併症であり、そして死亡の独立した危険因子である。腎代替療法は重症急性腎障害の標準治療であるが、開始の理想的な時期はControversialである。
Methods
多施設共同無作為化対照試験で、早期敗血症性ショックを有する重度の急性腎損傷を患者を、早期12時間以内に透析を行う群と48時間まで待機的に行う群とに割り当てた。Primary outcomeは90日での死亡である。
Results
2回目の暫定的な中間分析の後、試験は早期に中止された。合計488人の患者が無作為化を受けた。ベースライン時の特性には、グループ間の有意差はなかった。 90日後の追跡データが入手可能であった477人の患者のうち、早期戦略群の58%(239人中138人の患者)および遅延戦略群の54%(238人中128人の患者)が死亡した(p=0.38)。遅延戦略群では、38%(93例)が腎代替療法を受けなかった。緊急腎代替療法の基準は、遅延戦略群の患者の17%(41人の患者)で満たされた。
Conclusion
重症急性腎障害を有する敗血症性ショック患者では、腎代替療法の開始のための早期戦略に割り当てられた患者と遅延戦略に割り当てられた患者との間で90日時点の全死亡率に有意差はなかった。 (フランスの保健省によって資金提供された;
IDEAL-ICU ClinicalTrials.gov番号、NCT01682590。)
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