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2018年5月2日水曜日

Cardiovascular Safety of Febuxostat or Allopurinol in Patients with Gout.

<背景>
痛風患者においては循環器疾患、CKDが増加することが分かっている。
心血管イベントにより死亡するリスクは痛風患者において明らかに優位であることが知られている。Febuxostat(フェブリク)は高尿酸血症を改善する薬剤であるが、プラセボ・allopurinol(アロプリノール)と比較した際、心血管イベントの発生がやや多いことが報告された。我々は痛風と循環器系疾患を有する患者において、febuxostatallopurinolの使用が非劣勢であることを目的に本試験(CARES)を施行した。
<方法>
複数施設・二重盲検の非劣勢試験
非劣勢マージンはHR1.3に設定した


対象: 痛風(American Rheumatism Association criteriaで定義)と心疾患を有する患者
    血清中尿酸値≧7.0mg/dl、あるいは6.0mg/dl以上でコントロール不良な痛風
(詳細の除外基準などはappendix参照)

Febuxostat群:40mg/day(最大80mg)
Allopurinol群:300mg/day(最大600mg)

Primary endpoint:心血管死、非致死性のMI、脳卒中、不安定狭心症のイベント
Secondary endpoint:上記の各疾患ごとのイベント

<結果>
6190人の患者を腎機能ごとに層別化してランダム化を行い、32か月間に渡りフォローした。56.6%の患者が内服を中断し、45.0%がフォローアップも中断した。
血性尿酸値≦6.0mg/dlとなった患者の割合はfebuoxstat群の方がallpurinol群よりも高かった。


febuxostat
allopurinol
HR
PE event
335(10.8%)
321(10.4%)
1.03
心血管死
134(4.3%)
100(3.2%)
1.34 (p=0.03)
全死亡
243(7.8%)
199(6.4%)
1.22 (p=0.04)

<考察>
CARES試験ではfebuoxstatの内服による心血管イベントはallopuinol内服時と比較しても優位差はない(非劣勢である)ことが証明された。しかし、心血管死及び全死亡はfebuoxstat内服群の方が高頻度であることが分かった。しかしこの原因は明らかではない。従来の研究ではfebuoxstatが心機能へ毒性を持つという報告はされていない。本研究でも非致死性MI,不整脈などのイベントに関しては増加がなかった。
結論としては、痛風及び心血管疾患のある患者において、febuoxstatによる治療はallopurinolと比較して非劣勢であることが分かった。しかし心血管死が多く認められた。

Limitation;中途脱落数が非常に多い
(担当:福田、まとめ:児玉)

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