昨日NEJMにPublishされた衝撃的な論文です。今後、Nivoの立ち位置が、バイオマーカーがどうなっていくのでしょうか?
<目的>
現在、遺伝子変異のないNSCLC患者への1st line治療はプラチナベースの化学療法である。PD-1>50%の患者に対し手はPembrolizumabがその1st lineとして取って代わった。
Phase 2ではPembrolizumabを化学療法へ加えることで、レスポンス、PFS共に化学療法単剤より明らかに優位であることが示されている。
<methods>
今回の二重盲検phase3試験では、non Sq NSCLC患者でEGFR,ALK変異のない患者616人を2:1の割合でPem+ Pt製剤±Pembrolizumab⇒mentenanceとしてPem+Pembrolizumabを35サイクル行った。Pembrolizumab単剤へのcrossoverは認められた。PEはOS、PFS。
<results>
中央値10.5か月のフォローで、12か月のOSは69.2%(Pembrolizumab群)vs 49.4%であった。
OSの優位性はすべてのPD-L1のカテゴリーで認められた。
PFS: 8.8か月 vs 4.9か月 (HR 0.52)
AE: 67.2% vs 65.8%
<結論>
前治療、遺伝子変異のないnon Sq NSCLC患者に対して、Pem+Pt+Pembrolizumabのcombination therapyは明らかに良好なPFS,OSを示した。
<Introduction>
現在、遺伝子変異のないNSCLC患者への1st line治療はプラチナベースの化学療法である。
2nd lineとして承認された治療法としてはPembrolizumab、nivolumab、atezolizumabがあり、またPD-L1>50%の患者に関しては1st lineとしてPembrolizumabが化学療法に置き換わっている。
しかしPDになった患者はえてして急速に増悪することがあり、実際に2nd lineへ移行できる患者は半分にも満たない。
1st lineでのPD-1/PD-L1阻害薬を含む combination therapyを行うことがPFSの延長につながる可能性がある。PD-L1阻害は殺細胞性化学療法のpotential immunogenic effectsにより強調されていると考えられる。
例:腫瘍細胞の破壊後、樹状細胞の抗原提示の機会を増加させる
細胞障害性T細胞がregT細胞を上回る
Myeloid derived suppressor cellを阻害する
STAT6 pathwayを阻害することで樹状細胞の活動性を増加させる
Phase2としてのCBDCA+Pem±Pembrolizumabでは、PFSが明らかに優位であった。
Phase 3のKEYNOTE-189では我々は全PD-L1の範囲でPem+Pt±Pembrolizumabのnon Sq NSCLCへの効果を比較した。
<Methods>
対象:18歳以上の未治療のPt
EGFR,ALK(-)のnon Sq NSCLC
PS 0-1、計測可能領域が最低でも一つあるもの
除外基準:CNS meta、非感染性肺臓炎に対してステロイド使用歴のあるもの、
自己免疫疾患、免疫抑制剤の使用中の患者
6か月以内に対し30Gy以上の放射線照射歴のあるもの
今回の二重盲検phase3試験では、non Sq NSCLC患者でEGFR,ALK変異のない患者616人を2:1の割合でPem+ Pt製剤±Pembrolizumabに割り付けられ、3週間おきに35サイクル継続された。ランダム化の基準はPD-L1率、使用するPtの種類(CDDP vs CBDCA)、喫煙歴
4サイクルのPt製剤+Pemを3週おき⇒Pem 3週おき
CT、薬剤性副作用、主治医の判断、患者の撤回までは継続された。
Pembrolizumab単剤へのcrossoverは認められた。
CTは6週目、12週目、そこから9週おきに48週まで行い、そこからは12週おき。
PE:OS、PFS。
SE:RR、responseまでの期間、安全性
Exploratory end point:PD-L1毎のoutcomeの評価
<results>
16か国、126施設から965人が登録。Pembrolizumab 410人、placebo 206人
Crossoverは67/206(32.5%)で行われた。
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Pembrolizumab
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Placebo
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HR
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治療期間
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7.4±4.7か月
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5.4±4.3か月
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Data cutoff時点での治療継続率
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137/405(33.8%)
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36/202(17.8%)
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12か月生存率
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69.2%
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49.4%
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OS中央値
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未到達
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11.3か月
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0.49
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PD-L1<1%のOS
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61.7%
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52.2%
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0.59
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PFS
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8.8か月
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4.9か月
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0.52
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12か月後のPFS率
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34.1%
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17.3%
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RR
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47.6%
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18.9%
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P<0.001
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DCR
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84.6%
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70.4%
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全Grade AE
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99.8%
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99.0%
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G3以上AE
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67.2%
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65.8%
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AEで治療中断
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13.8%
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7.9%
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AE leading to death
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27/405 (6.7%)
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12/202 (5.9%)
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最も多いAEは嘔気、貧血、倦怠感
Pembro群で10%以上報告のあったAEは下痢、皮疹。
Pembro群で多いG3以上のAEはFN
<Discussion>
このphase3試験でPembrolizumabを化学療法に追加することで50%以上リスクを下げられることが分かった。KEYNOTE024の結果も踏まえ、このKEYNOTE189は1st lineとして非常に効果的な結果であった。
更に、この結果はPD-L1の発現率に関わらず認められ、従来聞かないとされていた1%以下でも有効であることが判明した。最も良好な結果となったのは50%以上の群であり、これまでのPD-L1と同様の結果が示された。今後、Pembro+Pem+PtがPembro単剤と比較し手良好な結果が出るかが待たれる。
今後長期的なフォローをすることで、これまでの報告の様にplateauになれば、この結果も多少変化するかもしれない。
AEに関してはその頻度を増加するものではなかった。Pembrolizumab+PemはPembrolizumab単剤と比較してIrAEが多くなることもなかった。例外はネフローゼとAKIであり、これまでの報告頻度より多くなった
(担当:児玉、まとめ:児玉)
Pembrolizumab (formerly MK-3475 and lambrolizumab, trade name Keytruda) is a humanized antibody used in cancer immunotherapy. It targets the programmed cell death 1 (PD-1) receptor. The drug was initially used in treating metastatic melanoma. pembrolizumab
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