今回は、薬剤科学生3名(石井 大輝、澤井 夏海、吉田 友貴穂)が協力して抄読会へチャレンジしてくれました。2017年7月31日、米国食品医薬品局(FDA)durvalumab(PD-L1モノクローナル抗体薬)をブレークスルー・セラピーに指定した薬剤です。
【背景】
多くの局所進行切除不能非小細胞肺癌患者は、適切な治療(化学療法+放射線治療)を施されても進行する。この試験は、地固め療法として2サイクル以上のプラチナ併用化学療法を行った後、PDとなっていないSatgeIII非小細胞肺癌へ抗PD-L1抗体であるdurbvalumabとプラセボとを比較したPhaseIII試験である。
方法
無作為に2:1に割付を行われた。
Durvalumab ;10mg/kg
Placebo
12ヶ月間 各2週毎での投与
前治療終了後、1-42日以内に上記試験薬が投与開始された。
Primary endpoint : PFS, OS
Secondary endpoint :PFS ratio(12ヶ月、18ヶ月)
ORR,
duration of response
the time to death or distant
metastasis and safety
結果:
713名の患者が無作為化され、709名が地固め療法が施された。
473名:durvalumab
236名:placebo
236名:placebo
MedianPFS(M)
|
progression-free survival rate(%)
|
RR(%)
|
median duration
of response(%) |
median time to death
or distant metastasis(M) |
||
12-month
|
18-month
|
|||||
durvalumab
|
16.8
|
55.9
|
44.2
|
28.4
|
72.8
|
23.2
|
placebo
|
5.6
|
35.3
|
27
|
16
|
46.8
|
14.6
|
結論:
PFSは統計学的優位にdurvalumab群で優れていた。2ndary endopointとして、安全性も両群ともに同等であった。
コメント
PFSの結果であり、今後OSの結果が期待される。
OSの結果には、プラセボ群での次治療としてdurvalumabの使用された場合の結果がどのような評価となるか知りたい。
PD-L1のタンパク発現を25%とカットオフにしている。50%以上の場合はどうであるのか、知りたかった。
副作用として、軽度な副作用含め従来の免疫療法に比較して任用性がある。
放射線後にもかかわらず、放射性肺臓炎の発症も少なかった。
Placebo群でも将来的に後治療で免疫療法が行われる可能性がある。OSの結果で最終的に免疫療法を使用した方がOSが優れているのか、もしくは早期に使用した方が良かったのか議論になると考えられる。
(担当:石井 大輝、澤井 夏海、吉田 友貴穂、まとめ:濵元)
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