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2017年2月3日金曜日

COPD患者への抗コリン吸入治療は、尿閉をどの程度リスクと考えるべきか?

COPD患者は高齢男性が多く、また高齢の男性には前立腺肥大も多いとされている。最近のCOPDのガイドラインでは、LAMA/LABAの推奨もあり、多くの吸入剤が使用されている。抗コリン作用であるTiotropium(LAMA)の使用により尿閉を来すリスクとしてどのように認識すべきか、PubMedで調べ、本日の抄読会のテーマとした。

 2008年に浜松医大から25名のCOPD患者へのLAMA使用での急性尿閉などについての前向き試験が行われPublishされている。

1ヶ月後、3ヶ月ごの経過で、uroflometryなどやQOLなど多項目で検討されているが、どれも、有意差は認めずLAMAによる、尿閉を来すリスクは少ないと結論となっている。
 しかし、2012年にCOPD患者へのLAMA使用時の尿閉リスクについてレヴューが出された。その中で、2つのケースレポート、1つの前向き試験、2つのnested-case control studyが抽出され議論されている。25症例の検討されたものに関しては、症例数が少なすぎることなどで、エビデンスレベルは低いと指摘された。
 カナダと、オランダのcase-control studyでは、11238例、22579例と多く症例で検討されている。前向き試験ではないので、強くは言及できない結果であるが、やはりLAMA吸入による尿閉リスクは存在すると結論付けている。
 この件に関して、前向きの多くの症例を入れての検討はあまり意味のない検討と思われ今後も大規模な試験は行われないであろう。慎重に使用するのみである!
(担当;濵元、まとめ:濵元)


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