今日は、市民公開講座として呼吸器の担当でした。昨今の肺がん治療のめまぐるしい変化がある中、いかにして一般の方へわかりやすくお伝えできるか、工夫してスライド作成して見ました。 約30名もの方が参加していただきまして大盛況に終了いたしました。
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2017年2月24日金曜日
Osimertinib or Platinum–Pemetrexed in EGFR T790M–Positive Lung Cancer
Osimertinib or
Platinum–Pemetrexed in EGFR T790M–Positive Lung Cancer
今日の抄読会は、3rd generation irreversible EGFR-TKIで、T790M耐性遺伝子発現後でも効果を認めるOsimertinb(タグリッソ)の論文です。昨年のウィーンで開催された世界肺がん学会では、e-publishでNEJMで既に報告されていますが、2017年2月20日改めて、NEJMへ掲載されたので再度皆で確認しました。
BACKGROUND
OsimertinibはEGFR-TKIであり、野生型EGFRには作用せず、EGFR活性化変異と耐性変異であるT790Mを有するEGFRを阻害する、選択性の高いEGFR-TKIです。プラチナ製剤とPemetrexed との併用療法についての効果については未だ不明であります。
Methods
本、国際オープンラベル無作為化Phase3試験は、EGFR-TKI治療後、進行が確認されたT790M変異陽性の進行非小細胞肺癌419名について、2:1の割付で経口osimertinib(80mg once daily)と経静脈的にPemetrexed(500mg/m2)とBCDCA(AUC=5)もしくはCDDP(75mg/m2)を3週ごとに6サイクルまで投与した。維持療法として、Pemetrexedは許容された。全ての患者において、一次治療のEGFR-TKIにて、進行が認められている。Primary endpointとしては、investigator 評価のPFSとした。
RESULTS
PFSの中央値としては、明らかにプラチナとPem治療群よりosimertinibの方が優位に延長を示した(10.1ヶ月 vs 4.4ヶ月;HR
0.30 P<0.001) 。ORRとしても、プラチナとPem併用群よりOsimertinb群の方がより優れていた(71% vs 31% ; odds ratio for
ORR 5.39; P<0.001)。 CNS転移を認めた144名の患者群では、PFS中央値はプラチナとPem併用群よりOsimertinb投与群の方が長く認められた(8.5ヶ月 vs 4.2ヶ月;HR0.32)。 grade3もしくはそれ以上のAEの割合として、プラチナとPem併用の47%に対して、osimertinibは23%であった。
CONCLUSIONS
一次治療で、EGFR-TKI投与後進行を認めた、T790M陽性の進行非小細胞肺癌の患者(脳転移症例も含め)は、プラチナ併用pem治療より統計学的優位な効果を認める結果となった。
個別化治療が進む中、免疫療法もPD-L1の発現により患者の選択が進んでいる。分子標的治療薬も発売当初は、all comerに使用されたが、発売されてから約15年で患者選択が明確になってきた。更に、3rd generationTKIでも発売最初からターゲットを、臨床研究がデザインされている。
del19が多く入っているが、afatinibがあまり使用されていないのは、LuxLungなどの臨床試験の順番によるのであろうか?今後、調べてみたいとこである。 (呼吸器濵元)
2017年2月20日月曜日
2017年2月17日金曜日
Day-and-night glycaemic control with closed-loop insulin delivery versus conventional insulin pump therapy
Day-and-night glycaemic control with closed-loop insulin
delivery versus conventional insulin pump therapy in
free-living adults with well controlled type 1 diabetes:
an open-label, randomised, crossover study
今回の抄読会は糖尿病代謝科の石井先生の担当でした。
1型糖尿病患者への、従来のポンプ式インスリン投与と比較して、人工膵臓によるオートマチックにインスリンを投与する比較試験の結果でランセットからの出展です。
an open-label, randomised, crossover study
今回の抄読会は糖尿病代謝科の石井先生の担当でした。
1型糖尿病患者への、従来のポンプ式インスリン投与と比較して、人工膵臓によるオートマチックにインスリンを投与する比較試験の結果でランセットからの出展です。
(糖尿病科 石井)
2017年2月15日水曜日
地域医療従事者研修会
2017年2月14日火曜日
Successful Placement of Metallic Stent in the Trachea Performed in a Sitting Position in Advanced Esophageal Carcinoma Invading the Trachea
【要旨】一般的に気管支鏡検査・治療は臥位の姿勢で行われる.気道内腫瘍の増大により,臥位では気道閉塞
をきたすため,座位にて気道内ステント留置を行った症例報告である.症例.60 歳.男性.他病院にて気管支喘息の治
療を受けていたが,改善を認めないため当院へ転院搬送となった.転院後,姿勢により呼吸困難が変容したため気道内
異物を鑑別に気管支鏡検査を行った.気管内を占拠する腫瘤を認め,穿刺針細胞診を施行し扁平上皮癌の診断に至っ
た.気管支鏡後,緊急造影 CT にて中部食道癌からの気道内穿破を認めた.臥位の姿勢維持では気道閉塞をきたすため,
座位にて気道内ステント留置を行い,気道確保に成功した.以降,消化器専門医にて治療開始となった.結論.食道癌
気道内腫瘍浸潤による気管閉塞に対し,座位にてステント留置を行い気道確保した 1 例を報告した。
2017年2月10日金曜日
KEYNOTE 024
次週から、Pembrolizumabの薬価は収載され、一般臨床で使用できるようになります。手続き上、若干の遅れは生じますが期待される免疫療法の新薬の登場です。
今回の抄読会では、KEYNOTE 024試験の論文(NEJM DOI :10.1056/NEJMoa1606774)をあたらめて皆で確認することができました。
やはり、ポイントとなるには、1st lineとしての治療デザインです。患者選択時には、50%≦TPSのより効果望める患者が選ばれての試験でした。
驚くことは、PFSの結果もさることながら、後治療でクロスオーバーしているにもかかわらず、OSの結果でもPembrolizumab群で優位に延長認めていることです。1次治療で投与できる50%≦TPS患者は積極的に使用する根拠となるかと考えられます。
(抄読会 井部先生)
参加者:濵元、井部、范、石井、坂木、鬼塚(計6名)
今回の抄読会では、KEYNOTE 024試験の論文(NEJM DOI :10.1056/NEJMoa1606774)をあたらめて皆で確認することができました。
やはり、ポイントとなるには、1st lineとしての治療デザインです。患者選択時には、50%≦TPSのより効果望める患者が選ばれての試験でした。
驚くことは、PFSの結果もさることながら、後治療でクロスオーバーしているにもかかわらず、OSの結果でもPembrolizumab群で優位に延長認めていることです。1次治療で投与できる50%≦TPS患者は積極的に使用する根拠となるかと考えられます。
(抄読会 井部先生)
参加者:濵元、井部、范、石井、坂木、鬼塚(計6名)
2017年2月3日金曜日
COPD患者への抗コリン吸入治療は、尿閉をどの程度リスクと考えるべきか?
COPD患者は高齢男性が多く、また高齢の男性には前立腺肥大も多いとされている。最近のCOPDのガイドラインでは、LAMA/LABAの推奨もあり、多くの吸入剤が使用されている。抗コリン作用であるTiotropium(LAMA)の使用により尿閉を来すリスクとしてどのように認識すべきか、PubMedで調べ、本日の抄読会のテーマとした。
2008年に浜松医大から25名のCOPD患者へのLAMA使用での急性尿閉などについての前向き試験が行われPublishされている。
1ヶ月後、3ヶ月ごの経過で、uroflometryなどやQOLなど多項目で検討されているが、どれも、有意差は認めずLAMAによる、尿閉を来すリスクは少ないと結論となっている。
しかし、2012年にCOPD患者へのLAMA使用時の尿閉リスクについてレヴューが出された。その中で、2つのケースレポート、1つの前向き試験、2つのnested-case control studyが抽出され議論されている。25症例の検討されたものに関しては、症例数が少なすぎることなどで、エビデンスレベルは低いと指摘された。
カナダと、オランダのcase-control studyでは、11238例、22579例と多く症例で検討されている。前向き試験ではないので、強くは言及できない結果であるが、やはりLAMA吸入による尿閉リスクは存在すると結論付けている。
この件に関して、前向きの多くの症例を入れての検討はあまり意味のない検討と思われ今後も大規模な試験は行われないであろう。慎重に使用するのみである!
(担当;濵元、まとめ:濵元)
(担当;濵元、まとめ:濵元)
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所沢に隣接する清瀬市の、呼吸器診療の主軸を置く東京病院へ、ご挨拶に行って参りました。所沢市の患者さまの多くは、東京病院にて診療をして頂いており、大変お世話になっている病院です。 大田健院長先生と小林信之統括診療部長両先生は、国立国際医療センターでの先輩であり、西埼玉中央病院...