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2017年6月14日水曜日

Pneumonitis in Patients Treated With Anti–Programmed Death-1/Programmed Death Ligand 1 Therapy


Background
近年新薬として認可された抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体はメラノーマ、NSCLC、腎がん、ホジキンリンパ腫、膀胱がんなどに適応が拡大されてきた他、今後もdurvalumab(PD-L1抗体)elimumab(CTLA-4抗体)などが開発される予定となっている。
免疫療法の副作用自体は抗癌剤と比較すると温和なものが多い一方、間質性肺炎など時に重篤な副作用が出現することも報告されている。
間質性肺炎は抗癌剤(ドセタキセル、ゲムシタビン、ブレオマイシン)や分子標的薬(EGFR-TKIrapamycin阻害剤)、放射線療法などでも起こりうる副作用であり、これまでの報告では抗PD-1/PD-L1抗体での出現率は0-10%程度とされている。しかしその発生機序に関しては未知な部分も多い。
今後、免疫療法は更に使用頻度が多くなることが予想され、それと同時に副作用の対策も重要となる。今回、その発生頻度と共に臨床初見・画像所見なども説明する。
methods
患者:豪米2施設計915名。豪施設はメラノーマのみ、米施設はその他疾患も含む。
除外基準:化学療法・TKICTLA-4以外の免疫療法を併用した患者
感染症・悪性腫瘍の浸潤などの、IP以外の明らかな病理学的な所見が認められるもの

登録された全患者に対し抗PD-1/PD-L1抗体が投与されている。CTLA-4併用患者は許容されている。評価は腫瘍径にて行い、2人の放射線科医により読影した。

results
全体でのILD発生率は5%であり、CTLA-4併用例のほうが頻度としては多かった
(10%vs3%)PD-1抗体投与患者とPD-L1抗体投与患者の間では頻度に差は認められなかった。

肺炎までの発生期間は投与後9日~19.2か月と広範囲であった。
その他症状としては息切れ(53%)、咳(35%)、発熱(12%)、胸痛(7%)などであり、半数程度の患者が肺炎出現時に気道関連の副作用が出現していた。

IPの副作用】
43名の患者でIPが出現した。
薬剤を併用した場合の方がIP出現率は高かった。
発生率は疾患に関係せずほぼ同等であった。
PD-1PD-L1の間で発生率には差がなかった。


Grade1,2の多くは外来にて休薬
Grade2の一部(6/31)は入院しステロイドによる加療
Grade3は全例入院加療
であった。

全体の中で5(12%)がステロイド治療にも関わらず改善が認められず、追加の免疫抑制剤使用したものの最終的には死亡している。うち3名は感染,1名は癌の進展、1名はIPそのものによる死亡であったと推測される。

11例が休薬中/ステロイド治療中にIPを再発している。うち8人は最終的に改善したものの、3人が死亡した。
また、12人がIP寛解後に免疫療法をrechallengeしている。(grade1だった患者が9人、grade23)
このうち9人はIPの再発なく経過したものの、3人は再度IPを起こした。

<感想>
免疫療法関連の副作用として問題になるIPについての論文だが、Pseudo progressionについてIPとの鑑別方法の記載は認められなかった。
現状では免疫療法後に酸素化悪化していた場合、仮にpseudo progressionの可能性があったとしても、リスクを考えるとIPと考えて加療せざるを得ないが、ステロイド使用により免疫療法の効果自体に影響が出てしまいかねないことを考えると難しい問題となる。現状報告されているpseudo progressionはすべて、IPとして加療後に腫瘍径も縮小したためpseudoの可能性がある、というような報告であり、具体的な定義は存在していない。陰影の分布などで鑑別ができるかもしれないが、現状ではすべてIPとして治療していくのが妥当なところであろう。
 またrechallengeの問題も重要な問題である。特に免疫療法にて非常によく効いた場合、IP出現時にどうするか。Bristolの添付文書としてはrechallengeは推奨されておらず、一方病院によってはrechallengeが前向きに検討されている施設もある様である。免疫療法はlate lineになれば効果は薄くなることも踏まえると、仮に行う場合は「pembrolizumabirAECDDP+PemPDNivoなど」といったように3rd line以降になる可能性が高いが、rechallengeによるリスクを検討すると手が出しづらいと考える先生が多かった。

本文でも述べられているように今後pembrolizumabnivolumabなどの免疫療法は更に使用頻度が上がっていくと考えられ、実臨床でこのような問題になることは十分考えられる。今後の報告が待たれる内容であった。
(担当:濵元、まとめ:児玉)

2017年6月12日月曜日

呼吸器フォーラム in Tokorozawa(AZ)

呼吸器フォーラム in Tokorozawa(AZ)
 所沢MUSEで開催された研究会へ参加してきました。
 帝京大学長瀬教授の講演では、日常臨床で連日のように遭遇する、「咳」について幅広い視野での最新情報を聴くことができました。
 会のあとでは、防衛大学川名教授と帝京大学長瀬と濵元の3名で懇談ができ、大変有意義な時間を過ごすことができ、今後の診療に更にやる気がでてきた1日でした。
(記載:濵元)

2017年6月10日土曜日

【抄読会担当者 2017年6月】

【抄読会担当者 2017年6月】
     2017年6月7日 :呼吸器科 濵元→薬剤 福田
     2017年6月14日  :呼吸器科 井部→呼吸器 濵元
     2017年6月21日   :呼吸器科 児玉→呼吸器 井部
     2017年6月28日   :感染管理 坂木→呼吸器 児玉
                     (2017/6/10変更)
      順番は、適宜相談にて変更いたします。都合悪い場合は、ご連絡ください。

COPD Forum in 2017

COPD Forum in 2017
 芝にある、ザ・プリンス パークタワーで研究会があり参加してきました。
全国から500名あまりの呼吸器科の先生方が参加しての大規模な研究会でした。
COPD良性疾患の分野では、稀に大きな研究会の印象でした。
 Meakisn-ChristieOBの京都大学室先生の基調講演からトロント大学のChapman先生の講演まで充実した会でした。

 

2017年6月9日金曜日

第40回 日本呼吸器内視鏡学会での発表

第40回 日本呼吸器内視鏡学会が長崎で開催されました。西埼玉中央病院からIgG4関連疾患についての症例報告を行なっています。発表者は児玉裕章先生。発表後もいくつか質問やアドバイスを頂きました。今回は、IgG4RDへステロイド治療を行い、治療前後でのサイトカイン計測も行っています。今後、論文化目指し診療科として取り組んで参ります。
学会会場では、和久田一茂先生(現:静岡県立しずおかがんセンター)とも一緒に話す機会がありました。皆、各方面で努力している姿をみるのが大変嬉しく思います
(記載:濵元)

2017年6月7日水曜日

A phase II randomized double-blind placebo-controlled study of 6-gingerol as an anti-emetic in solid tumor patients receiving moderately to highly emetogenic chemotherapy.


<背景>化学療法による悪心・嘔吐(CINV)は化学療法に副作用としては最も多いものであり、10-30%程度の頻度で出現する。これにより化学療法の有効性を低下させ、急性合併症の増加、生存期間を低下させる。
これに対しASCOではHECに対しては5-HT3、デキサメタゾン、NK-1受容体拮抗薬を、MECに対しては5-HTセロトニン受容体拮抗とデキサメタゾンの2剤を併用することを推奨し、実際に有効であるとの多くの報告があるものの低中所得国にとってアプレピタントやフォサプレピタントのようなNK-1受容体拮抗薬の入手は限定的であり、より使用しやすい薬剤のニーズがある。
ショウガの一成分である6-gingerolNK-1,セロトニン、ドーパミン受容体を抑制することによる抗嘔気作用を持つことが報告されている。一方で以前に行われたショウガそのものを使った臨床研究ではその優位性ははっきりと認められていない。今回はHEC/MECを受けた患者の優位成分である6-gingerolのみを抽出したphase2試験を行った。
Med Oncol. 2017 Apr;34(4):69.   PMID:28349496
<方法>
HEC/MEC加療を受けた患者88人をプラセボと6-gingerol加療に分け、化学療法投与の第1-3日で行った。6-gingerol 10mgあるいはプラセボを12回、day-312週間、あるいは化学療法の終了まで内服した。

対象:18歳以上、PS0-2まで
除外:
・ケモ歴のある患者
NK-1アンタゴニストを使用する患者
・ジンジャー過敏症、妊娠または授乳

〔併用薬〕
HEC:オンダンセトロン8mg(day1)+デキサメタゾン12mg(day1-4)
MEC:オンダンセトロン8mg(day1)+デキサメタゾン8mg(day1-4)

Primary EndpointCR=急性期・遅発性期(~24時間・24-120時間)共に嘔気のレスキュー使用なし、嘔吐などのイベントなしである患者の割合

さらに嘔気と食欲に関してNRSにてスケーリングし、FACT-Gを用いてQOLに関しても計測した。

<結果>
CR6-gingerolがプラセボ群と比較して優位であった。(77% vs 32%)
QOLスコアに関し手もプラセボ群より6-gingerol群が優位であった。また、6-gingerol群で明らかなAEは認めなかった。更に倦怠感に関してはプラセボ群の方が結果が悪く、6-gingerol内服により倦怠感の減弱があることが分かった。

一方、1サイクル中の急性期に関しては優位な差が出なかった。また今回NK-1は併用しておらず、両者を併用した場合に関しては今後の報告が待たれる。

discussion
Limitationとしては癌の内訳が乳がんと卵巣がんがほとんどであり、性差も女性が90%程度と集団がかなり偏っている点が挙げられる。
・嘔気自体が女性・酒に弱い人などに出現しやすいとされており、つわりによる嘔気には大建中湯などが効くとされている。米国ではジンジャエール(ショウガ+炭酸)が船酔いなどの嘔気にいいといわれており、本報告ではそれが客観的に示された結果となった。
HECの吐き気出現率がプラセボでも30%とやや低めであった。これはタイがそもそも香辛料・ショウガを比較的使用する食事が多いことによるのかもしれない。
・化学療法の支持療法に関しては未知な部分も多く、身近なことでも掘り下げることで新しい発見があるかもしれない。

※西埼玉中央病院に、2017年6月念願のコンビニが誘致された。が、しかし、ジンジャーエールが売られていない!!