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2018年7月4日水曜日

Dupilumab Efficacy and Safety in Moderate-to-Severe Uncontrolled Asthma

薬学学生の加世田くんの担当です。
いつもありがとうござます。

<背景>
喘息患者の約20%は治療介入しているにも関わらずコントロール不良の中程度~重症患者といわれている。Il4,IL5などのサイトカインによるType2 inflammation(Th2)は喘息患者の約50%程度に起こるとされている。このメカニズムとは血中好酸球、IgE、及びFENOが関連しているとされており、重症喘息の治療におけるマーカーとなる可能性が考えられる。
DupilumabIL4受容体αモノクローナル抗体であり、IL-4,IL-13シグナルを阻害する。
Dupilumabは既にアトピー性皮膚炎に対する治療として承認されている。本試験(LIBERTY ASTHMA QUEST)は重症喘息に対しDupilumabの効果を検討・評価したものである。

<方法>
ランダム化二重盲検試験にて52週間の介入気管、及びその後の12週間のフォローアップを行った。

対象: 12歳以上かつ12か月以上前に喘息の診断をされ、直近1年で1回以上の増悪・入院をした患者
    2014喘息ガイドラインに沿った中~高容量吸入ステロイド・コントローラ―の使用を行っている患者
    気管支拡張薬使用前の%FEV180%
    FEV1可逆性≧12% あるいは200ml
    ACQ-51.5

以上の患者群を①Dupilumab200mg/2w群、②Dupilumab300mg/2w、③プラセボ群(Dupilumab 200mg相当)、④プラセボ群(Dupilumab300mg相当)2:2:1:1に割り付けた。
200mg群はローディング量を400mg300mg群は600mgにて行った。

また、吸入している薬剤はそのまま継続とした。

PE 年間での喘息増悪回数、開始時と比較した12週目でのFEV1
SE:血中好酸球300以上の患者での増悪率・FEV1

<結果>






Dupilumab200mg
プラセボ群
比較
Dupilumab300mg
プラセボ群
比較
増悪/
0.46
0.87
47.7%低下
0.52
0.97
46.0%低下
Eo300での増悪
0.37
1.08
65.8%低下
0.40
1.24
67.4%低下
300Eo150での増悪
0.56
0.87
35.6%低下
0.47
0.84
44.3%低下
150Eoでの増悪
0.47
0.51

0.74
0.64

FEV1
0.32L
0.18L
P0.001
0.47
0.22
P0.001

DupilumabによるFEV1の改善は投与2週目から52週目まで持続した。
・安全性に関しては大きく変化しなかった。最も多い副作用は注射部位の疼痛であった。

<考察>
喘息の増悪率は、Dupilumab群にて明らかに低下した。特に血中のEoFENOが高値の患者に関してより効果が高かった。
本試験の結果ではIl4,IL13が喘息の主要なドライバーであることを示唆した。DupilumabFENOを著明に減少させ、更にIgEなどの他のtype2炎症マーカーも減少させることで、気道炎症における生物学的な活動性を確認できた。Dupilumabを使用することでIL-5阻害剤よりも幅広い患者に対応できるのは、Il-4IL-13を共に阻害することが理由と考えられる。Dupilumab使用に伴い好酸球の増加が認められるものの、AEとしては大きなものは認めなかった。

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