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2017年11月8日水曜日

Dacomitinib versus gefitinib as first-line treatment for patients with EGFR-mutation-positive non-small-cell lung cancer (ARCHER 1050): a randomised, open-label, phase 3 trial

今日は、薬学の学生さんたちの共同作業での発表です。
2nd Generation DacomitinibについてのPIII試験です。いい感じの発表でした。
<背景>
EGFR陽性患者のNSCLC患者に対し、1st lineの治療薬としては現在第1世代としてgefinitib,erlotinibが、2世代TKIとしてafatinibが使用されている。Dacomitinibは第2世代のEGFRTKIであり不可逆的にEGFRを阻害し、EGFR/HER1HER2HER4の全てのErb familyに対し作用することが分かっている。これまでのEGFRTKIは化学療法との比較試験のみ行われており、TKIどうしのhead-to-headの結果は不透明であった。
本試験ARCHER1050phase 3open labelランダム化試験であり、dacomitinibgefitinibとの効果・安全性を比較検討した。

<方法>
対象:7か国、18歳以上で未治療stageb/ ないし術後再発のNSCLC患者
   EGFR major mutation(exon19L858R)の患者でPS0-1
除外:EGFR minor mutation、混合性組織型、脳転移患者、TKI使用歴のある患者

以上条件の下、対象をdacomitinib(45mg/day) gefitinib(250mg/day)1:1に割り付けした。

PE:客観的PFS
SE:実験者PFS, ORRの割合、OSresponse期間

<結果>
Dacomitinib227人、gefitinib225人が登録された。



Dacomitinib
Gefitinib
HR
IRC評価のPFS
14.7か月
9.2か月
0.59
担当医PFS
16.6か月
11.0か月
0.62
IRC評価ORR
74.9%
71.6%
P=0.3883
AE
226/227(99%)
220/224(98%)

G3以上のAE
21(9%)
10(4%)

Exon19反応性
102/134 (76%)
93/133(70%)
P=0.2541
L858R
68/93 (73%)
68/92(74%)
0.9025





AEとして多かったのは下痢(87%)・爪周囲炎(62%)・座掻痒皮膚炎(49%)(dacomitinib)に対し下痢(56%)ALT上昇(39%)AST上昇(36%)(gefitinib)であった。

投与中止したのはdacomitinib群で22(10%)gefitinib群で15(7%)
一時投与中断はdacomitinib群で177(78%)gefitinib群で120(54%)
dacomitinib群で減量投与となったのは150(66%)、うち87(38%)30mg/dayまで減量、63(28%)15mg/dayまで減量となった。減量までの期間の中央値は2.8か月だった。

<考察>
ARCHER1050EGFR陽性のNSCLC患者の1st lineとして第1世代EGFRTKIと第2世代とを比較した最初のphase3試験である。その結果、dacomitinib群の方が明らかに長いPFSとなり、これまでのどのEGFRTKIphase3試験よりも長期となった。この結果はdacomitinib1st lineとして使用する十分な根拠となりえる。試験デザインが違うため参考としかならないが、dacomitinibLUXLUNG7afatinibと比較しても長期なPFSとなった(24か月時点でのPFSdacomitinib 30.6%afatinib(LUXLUNG7)17.6%)
Gefitinib群と比較して長期な成績となったのは、dacomitinibは標的分子と不可逆的な阻害をすることと関係があると思われる。
AEに関しては従来の報告と差のない結果となった。下痢などの症状の出現もあるため、適切な濃度となるよう使用時には減量を検討する必要がある。

Limitation
脳転移患者は除外されており、結果的に予後がよくなった可能性がある。

Dacomitinib群の方が女性の割合が高く、PS0の患者の割合も高かった



(担当:石井 大輝、澤井 夏海、吉田 友貴穂、まとめ:児玉)

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