<背景>
院内肺炎はしばしば抗菌薬耐性のグラム陰性菌、特に緑膿菌や腸球菌などとの関連が問題となる。これら病原菌はしばしばESBL耐性やカルバペネム耐性をきたしうる。ceftazidime-avibactamは抗緑膿作用を持ちMDRPやカルバペネム非感受性の腸球菌にもカバーしうる。ceftazidime-avibactamはカルバペネムに代わる治療薬として期待される。我々はceftazidime-avibactamのVAPに対する効果と安全性を、メロペンと比較検討した。(REPROVE試験)
<方法>
23か国136センターで試験を行った
18-90歳で、院内肺炎に罹患した(入院後48時間以上経過した)患者。VAPは挿管後48時間以上経ってから発症した肺実質感染と定義した。
臨床的に調整されたITT集団(cMITT)、評価可能な集団(CE)の集団で評価した。
参加者はVAPか否か、地域に層別化を行い、ceftazidime-avibactam vs
MEPMで1:1で割り付けを行った。
ceftazidime-avibactam q8hとMEM 1000mg q8hで比較を行った。
PE:ランダム化後21-25日での臨床的治癒の割合
腎障害患者は投与量を調整された。
<結果>
879人の登録患者のうち重度腎機能低下例62人を除外した。最終的にceftazidime-avibactam群で355人、MEPM郡363人が評価された。
治療成功率
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ceftazidime-avibactam
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MEPM
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cMITT
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68.8%(245/356)
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73.0%(270/370)
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CE
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77.4%(199/257)
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78.1%(211/270)
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AE
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75%(302/405)
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74%(299/403)
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※AEに関しては薬物との関連性は認められない。
<考察>
REPROVE試験により、ceftazidime-avibactamは院内肺炎の治療において、メロペネムと比較して非劣勢であることが証明された。院内肺炎のGNRに対し、カルバペネムの代替約としての使用が期待される。ceftazidime-avibactamはceftazidime単剤投与と比較しても安全性の面で劣っていないことが判明した。病原体毎の臨床治癒率を見るとenterobacter cloacaeとenterobacter
aerogenesでceftazidime-avibactamの治癒率が勝っていた。これは近年カルバペネム耐性が多く報告されていることが影響していると考えられる。
Limitation:治療期間が限られており、長期間での副作用は不明
一般的な臨床的治療方法とは異なっている部分が存在する。
(担当:沢田、まとめ:児玉)
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