Brigatinib in Patients With Crizotinib-Refractory Anaplastic Lymphoma Kinase–Positive Non–Small-Cell Lung Cancer: A
Randomized, Multicenter Phase II Trial
<目的>
Crizotinibは、肺がん全体の5%を占めるALK変異陽性NSCLCに対しての治療薬として開発され、ORRは61%-74%、8-11ヵ月のPFSを見込める第1世代ALK阻害剤である。
しかし、Crizotinibで治療したALK陽性NSCLC患者は時間が経つにつれ、ALK bypass経路の活性化やALK遺伝子の変化といった耐性機序を獲得し、その多くに病勢進行が見られる。第2世代ALk阻害剤として新規開発されたceritinib, alectinibはそれぞれPFSを延長させることに成功したものの、既にG1202R変異を含む2世代ALK阻害剤に対する変異が認められており、ALK遺伝子変異に対し更にブロードに効果のあるALK阻害剤が必要とされている。
本研究は、Crizotinib耐性となったALK陽性NSCLCに対し次世代ALK阻害剤であるBrigatinibを使用し、その効果と安全性を評価したPhase 2試験である。
<方法>
71施設18か国で登録された患者を、脳転移とCrizotinibのレスポンスの良さで層別化し無作為に2群に割り付けた。
arm A:Brigatinib 90mg/day(daily)
arm B:Brigatinib 90mg/day(day1-7) ⇒Brigatinib 180mg/day(day8-)
Primary endpoint:investigator-assessed ORR
<結果>
arm A:109人
arm B:110人
脳転移あり:154人(69%)
前治療あり:164人(74%)
8ヵ月ORR
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PFS中央値
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Intracranial ORR
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Intracranial PFS
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Arm A
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45%
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9.2ヵ月
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42%
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未到達
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Arm B
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54%
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12.9ヵ月
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67%
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5.6ヵ月
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AE:嘔気、下痢、頭痛、咳などが頻度の高いAEだった。
Early onsetとしての呼吸器症状はgrade 3が3%認められたが、いずれもday1-7の早期に起きていた。
致死的な有害事象は3.7%に及び、その死因は肺炎・呼吸困難・肺血栓塞栓症・髄膜炎・尿路感染などであった。
<conclusion>
Brigatinibの頭蓋内への反応は良好であった、またAEも180mgの治療群で容認できるものであった。
<感想>
Phase 2試験であり、実用化にはまだ時間のかかる薬剤ではある。しかしCrizotinib failure 患者でのPFS 12.9ヵ月は魅力がある。J-ALEX試験では1st line alectinib vs crizotinibでalectinibに優位な延長が示されており、そのうちalectinib vs brigatinibの試験が組まれることとなるのか。
Limitationとしては日本人が含まれていないこと、正式なPFS,OSの無作為化がされていないことである。
大きな問題としては、30日以内に8人が亡くなっている点である。可能性としてはPS2が含まれている事でやや状態が悪い人達が投与の結果死亡したと考えられる。しかしこの結果を踏まえると中々使いづらい薬となってしまう。Limitationも含め、更なる報告結果が待たれる。
(担当濵元、まとめ児玉)
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